~条件提示では伝わらない時代の採用コミュニケーション~

「せっかく内定を出したのに、また辞退された‥」
「うちの魅力、ちゃんと伝わっていないのかな…?」
こんな採用の悩み、どこの企業でも少なからずあるのではないでしょうか。
特にここ数年「良い人材ほど辞退してしまう」と感じることが増えたという声をよく聴きます。 その背景にあるのが、求職者の「価値観重視」シフトです。


■「条件」より「共感」を重視する求職者たち
今の求職者、特にZ世代や20~30代前半の中途層は、給与や福利厚生だけで企業を選びません。 「自分らしく働けるか」「価値観の合う仕事か」「やっていることに意味を感じられるか」そうした内
面の納得感があるかどうかが、入社の意思決定に直結しています。
これは裏を返せば、企業がいくら条件を整えても、「共感」が得られなければ辞退されてしまうという こと。だからこそ今、求められているのは「求職者の価値観」を聞き取り、それがどう自社で活かされ るかをストーリーで伝える力」‥ストーリーテリングなのです。


■「この会社でなら自分らしく働けそう」と思ってもらうには
1)価値観を引き出す質問をする
・どんな時にやりがいを感じますか?
・これまで一番頑張った経験と、その理由は?
・理想のチームや上司ってどんな存在ですか?
表面的な回答にととまらず「なぜそう思ったのか?」と掘り下げていくことで、その人が本当に大切 にしている価値観の核が見えてきます。
2)その価値観が活かされる実例を「ストーリー」で伝える
価値観が見えたら、次はそれが「自社でどう活かされるか」を伝えるステップです。
例えば、求職者が「成長実感を大切にしている」といったとします。
その時は、「実はウチの〇〇さんも最初は業界未経験で‥」「でもやってみたいと手を挙げたことで 大型案件に抜擢されて‥」というように、その価値観が、実際に活きているエピソードを自分の言葉で 語るのです。制度や理念を語るのではなく、人や物語を通じて語ることで、求職者は自然と「自分の価 値観を活かせそう」と感じるようになります。


■面接は「選ぶ場」ではなく「つながる場」
これからの面接は、企業が選ぶ側という意識ではなく、お互いの価値観のすり合わせ、繋がりを感じて もらう場に変わっていきます。
人と人とのストーリーが交差した時に本当の「マッチング」が生まれます!