国際ビジネス学院グループは、石川・福井で食、動物、美容に関わる専門学校7校と専門職大学1校を運営する総合職業教育機関だ。学校法人設立は2004年。従来の学校教育の枠にとらわれない独自の教育システム「KBGメソッド」を軸に現場の即戦力を育んでおり、“日本を代表する職業教育機関”を目指して確かな成長を続けている。
スペシャリスト教育を実践
専門学校で知識と技術を学んで卒業したにも関わらず、「まだ新人だから」とビジネスの最前線になかなか立たせてもらえない。一方で、3割以上が就職してから3年以内に離職してしまう。これらの背景に潜むのは、業界で活躍できる人材と、学校を巣立ったばかりの社会人のスキルに隔たりがあることだ。
このギャップを埋めるスペシャリスト教育を進めるのが、総合職業教育機関「国際ビジネス学院グループ」だ。現在、専門学校7校を運営し、2021年には北陸唯一の専門職大学「かなざわ食マネジメント専門職大学」を開学。金沢キャンパス、白山キャンパス、福井キャンパスのカ所を拠点に、フードビジネスのプロや料理人、パティシエ、動物看護師、トリマー、ヘアスタイリスト、エステティシャン、ウエディングプランナーなど、多岐にわたる即戦力を育んでいる。
食、動物、美容とそれぞれ分野は異なるが、学院共通の核となるのは、独自の教育システム「KBGメソッド」だ。KBGメソッドは、「現場に即した実践教育」「一流による教育」「産学共同教育」「社会人基礎教育」「最新の学習環境」の5つの取り組みが柱となる。各専門学校・専門職大学でメソッドに基づいた教育を徹底しており、社会人1日目から現場でスキルを発揮できる人材の育成に力を注いでいる。
業界の超一流が指導
KBGメソッドの一例を紹介すると、「現場に即した実践教育」として、国際ビジネス学院は、一般の人が利用できる実践教育施設(店舗)を構えている。白山キャンパスに隣接するイオンモール白山には「GOLDENEGGpremium」と「学生のパン屋さん」を開設。前者は国際調理専門学校の学生が調理、国際ホテル&ブライダル専門学校の学生がサービスを担当し、後者はスーパースイーツ製菓専門学校の学生が商品開発から店舗運営までを一貫して手掛けている。ほかにも、トリミングサロンやペットカフェ、エステ・ネイルサロンなどを、学生が主体となって経営している。
「一流による教育」に関しては、講師陣の顔ぶれを見れば納得だ。国際調理専門学校は人気を博したテレビ番組「料理の鉄人」で知られる坂井宏行氏、スーパースイーツ製菓専門学校は世界的パティシエの辻口博啓氏と、飲食業界のトップランナーが学校長を務めている。もちろん、各校の講師陣も業界を牽引し続けるそうそうたるメンバーがそろっている。
加えて、食・動物・美容業界の企業・団体と業務提携を締結。即戦力をともに育てる産学共同教育をベースとし、長期間にわたる現場実習などを取り入れている。国際ビジネス学院の大聖寺谷敏理事長は、「一流の技に触れ、現場で経験を重ねる中で、ギャップを埋める就職直結型カリキュラムを整備しています。学びを通して、学生からは『入学してよかった』、業界からは『採用してよかった』と思ってもらいたい」と話し、充実した教育環境の構築に知恵を絞っている。
「全員参加型経営」に注力
国際ビジネス学院からプロへの一歩を踏み出す新入生数は2023年、グループ全体で約460人を数えた。次年度には500人以上の入学を見込んでおり、魅力あふれる教育が多くの学生を引き付けている。とはいえ、当初から現在のような環境が整っていたわけではない。
白山キャンパスを訪れると、エントランスに「目指せ日本一元気にあいさつ整理・整頓・清掃」のキャッチフレーズが掲げられている。これはKBGメソッドの一つ「社会人基礎教育」の根幹となる。「学生を教育するには教職員が実践し、模範とならなければなりません。そのためには、まず私が率先垂範で実践すると決めました」。こう語る大聖寺谷理事長は、学校設立当初、誰よりも先に出勤し、一人でトイレ掃除を始めたという。行動で示す中で、理事長から職員、そして学生へと思いは徐々に浸透していったそうで、月に1度、キャンパスを大掃除する「クリーンデー」には、休日に実施する自主参加のイベントにも関わらず、半数以上の学生が参加している。
学校経営に全職員が携わっている点も特色だ。京セラを創業し、経営破綻した日本航空(JAL)を再建した稲盛和夫氏が提唱した「アメーバ経営」を導入。各校それぞれに責任者を決め、予算計画や現金管理などの全てを任せており、利益が出た場合は職員に還元している。職員一人ひとりが経営意識を持つことで、組織の活性化につながっており、国際ビジネス学院は、経常利益・利益率ともに着実な成長を続けている。
女性が輝く環境を整備
国際ビジネス学院の躍進を支えてきた職員の8割は女性が占めている。平均年齢は32歳。結婚・出産し、育児中の職員も多く、ライフスタイルが変わっても働きやすい職場づくりに努めている。近年、進めてきた取り組み例としては、①結婚・出産など家庭環境の変化に合わせた勤務体系の導入、②有給休暇100%取得の義務化、③定時退社の促進、④小学生以下の子どもがいる場合の看護休暇を整備、⑤病児保育料の一部負担―などが挙げられる。
このように女性がより一層、輝ける職場環境を整備し、国際ビジネス学院は、「2025年までに日本を代表する職業教育機関へ」という目標を掲げている。人口減少が続く荒波の中、北陸だけでなく、全国から学生が集まる未来図を描いており、その一環として年には白山キャンパス近くに学生寮3棟を建設。さらに2棟増設する計画も立てている。
もちろん、採用活動にも積極的だ。「求めるのは、まじめで誠実、そして子どもたちの成長を後押しする気持ちを持った人です」と明言する大聖寺谷理事長。これからを担う若手とともに、業界が求める即戦力の育成に一層、力を傾けていく考えだ。
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