株式会社中元建築設計事務所
「設計×補償コンサル」を強みに顧客ニーズに即した提案で信頼を築く老舗の建築設計事務所。
株式会社中元建築設計事務所
中元建築設計事務所の特色は、建築設計・監理や構造設計だけでなく、「補償コンサルタント」も手掛けていることにある。「設計 ×補償」の両輪は大きな強みになっており、顧客ニーズに即した提案とも相まって揺るぎない信頼を築き、金沢の老舗の設計事務所として名を馳せる。急速に進む建築設計業界の技術革新に合わせて進化するため、次世代型経営への脱皮にも挑戦している。
代表取締役社長 中元 伸夫
1956年石川県金沢市出身。東京電機大学機械学科から工学院大学専門学校建築科に進み、卒業後、東京の建築構造設計事務所、金沢の張江建築設計事務所で構造設計に従事。1991年中元建築設計事務所に入社。取締役を経て2002年12月代表取締役社長に就任。趣味はソフトボールで、現在もナイターソフトボールと壮年ソフトボールで2チームに所属。
意匠と構造を手掛けられる
一般的に建築設計事務所の業務は建築物の設計・監理が主だと思われている。ただし、設計は「意匠」と「構造」、「設備」に大別され、中小規模の事務所ではいずれかに特化している例が多い。
そんな中で、中元建築設計事務所は意匠と構造を手掛ける設計事務所として存在感を発揮している。中元伸夫社長以下、総勢10人の陣容だが、キャリアを積んだ一級建築士や構造設計一級建築士を擁していることが、地元の建設業界からの高い評価につながった。
さらに、補償コンサルタント業務にも力を入れていて、「設計」と「補償」を両輪とする極めて特異な建築設計事務所なのだ。
では、あまり耳慣れない補償コンサルタントとはどんな業務なのか。ざっくり言えば、公共事業などによる用地取得の際の補償算定や、振動が想定される工事の前後に近隣家屋を調査して、工事の影響を評価する工損調査などがメーンだ。かつてはほとんどが公共工事に伴う業務だったが、近年は民間工事でも携わる機会が増えている。
「構造の確認から設計の依頼につながったり、設計の知識が補償の工法検討に役立ったりと、互いに関連していることが多いため、発注者側にとっては安心して任せられます。そこが当社の一番の強みではないでしょうか」(中元伸夫社長)
エコにこだわった自社ビル
創業は1962年。中元社長の父である修氏が立ち上げた。1983年に(一社)石川県建築士事務所協会に入会するとともに、(一社)日本補償コンサルタント協会にも加入して本格的な両輪体制を築いた。設計物件は福祉施設、商業店舗、幼稚園・保育園など非住宅が主軸になっている。
1991年の法人化を機に、構造設計を専門とする伸夫氏が後継候補として入社。2002年に2代目経営者に就いた。翌年に新築した3階建ての現社屋は、太陽光発電や太陽熱給湯、雨水利用、高断熱材など当時の最先端エコシステムを導入したのが特徴だ。
「もちろん自社設計ですが、父と私の意見が合わず、スタッフが右往左往したほろ苦い思い出があります。良かったのは、自社ビルの建設を通して施主側の思いがよく理解できるようになったことです」(中元社長)
その経験をベースに、「顧客のニーズをしっかり把握し、それを反映した提案をする」をモットーとしている。例えば、当初の設計プランに対して「柱を1本外してほしい」と変更要望があった場合、柱を外す目的が何なのかをきちんと理解することで、構造的課題をクリアしつつ、満足度の高い代替プランを提案できるという。
「それは無理です」と断るのではなく、できる限り顧客の要望に寄り添って実現可能性を追求するということだ。こうした顧客本位の姿勢も安心と信頼を醸成し、60年以上の歴史を刻む地元の老舗設計事務所として揺るぎない地位を確立することにつながっている。
ベテランと若手の融合を
ベテラン社員が多いので社内の雰囲気は穏やかでなごやかだ。社員間のコミュニケーションも良好で、チームとしての強い一体感がある。半面、若い社員が少ないため、ギラギラした活気は希薄かもしれない。実際、社内の40歳未満は中元社長の子息で取締役の直氏1人だけだ。
「ベテラン社員のおかげで当面は安泰でしょうが、将来を考えると、事業承継も含めて世代交代をいかにスムーズに進めるかが最重要課題だととらえています。私自身は遅くとも3年以内に息子に経営を引き継ぐ腹積もりで、本人も心構えはできているはずです」(中元社長)
中小企業の経営者の交流組織である石川県中小企業家同友会での活動も交代するなど、経営トップの若返りに向けた準備が進んでいる中、近々3代目経営者に就く直氏は、どんなビジョンを描いているのだろうか。
「BIM※の活用など建築業界の技術革新が急速に進んでいます。当社の規模ではハードルは高いものの、迅速かつ着実に導入を進めなければなりません。補償コンサルタント分野も認知度の低さがネックになって、業界全体の高齢化が進んでいます。新しいものに前向きな若い力が今こそ必要だと思います。ベテランの経験知と、若い世代のバイタリティーを融合させ、時代と歩調を合わせて進化し、可能性を広げていくつもりです」
※BIM…ビルディング・インフォメーション・モデリングの略。コンピューター上に3次元モデルを作成し、設計から施工、維持管理まで建築ライフサイクル全体の情報を活用することで、建築ビジネスの業務を効率化するワークフロー。
文系学生にも門戸開く
実は、中元取締役は建築とは無縁の京都産業大学経済学部を卒業後、地元の有力メーカーに就職した。営業マンとして6年勤務した後、2017年に未知の世界に飛び込んだ。工損調査を皮切りに、用地補償・設計・積算と着実に守備範囲を広げながらキャリアを積む一方で、建築士の受験勉強にも励み、昨年、ついに一級建築士資格を取得した。
「必ずしも建築科を卒業していなくても、意欲さえあればこの業界の第一線で活躍し、一級建築士にもなれることを体現できました。当社が幅広い業務を手掛けていること、スキルの高い社内のエキスパートから親身で的確なアドバイス・指導を受けられたことが、力強い後押しになりました」(中元取締役)
身をもってキャリアアップを実現した体験から、新卒採用に関しては建築科の学生に限らず、文系学生にも門戸を開くことにした。
「補償コンサルタントでは、大きな地震に見舞われた珠洲市の公費解体支援を担うなど、社会貢献にも携わっています。建築士志望なら意匠でも構造でもプロを育てられます。就活を通して自分の向き不向き、得意不得意を確認するなど自分自身としっかり向き合っていただきたいし、その上でもし当社に関心を抱いたなら、ぜひエントリーを」と呼びかける中元取締役の眼差しは、次代の経営を担う気概にあふれている。
「設計×補償コンサル」を強みに、顧客ニーズに即した提案で信頼を築く
建築設計、監理、構造設計、耐震診断からアフターサービスまで、さまざまなステージで、お客様の大切な建物をサポートしております。
自社設計による社屋。扇町にあり、まちなかに溶け込むデザインとなっています。
先輩社員からのメッセージ
相談しやすい環境で残業もほとんどありません。
一級建築士 伊藤 貴子
2020年4月入社
福井大学大学院
環境設計工学専攻 修了
入社理由を教えてください。
新卒で当社に入社後、事情があり1年弱で退職した後、金沢市内の意匠構造設計事務所に20年余り勤務し、そろそろ折り返し地点にきたので環境を変えてみようかと人材紹介会社に登録したところ、なんと紹介されたのは当社だったのです。社長が快くOKしてくださり再度働くことになりました。
転職後の仕事はいかがでしたか?
私が新卒で入社した時にいた方が3名ほど勤務されており、大変心強かったです。現在は福祉施設や保育園等の意匠設計を中心に担当しており、施主様から感謝いただくときは、大変やりがいを感じます。会社の雰囲気は社長を筆頭に皆さん穏やかで、またさまざまな年齢の方がおり、いろいろと相談しやすい環境が整っています。 また、会社の方針として、業務を分担して一人に負担が集中しないような仕組みになっていますので残業等もほとんどありません。
今後の目標を教えてください。
これから自分の担当した建築物の設計が評価され、次の仕事をいただけるようになりたいです。
趣味は小説等の読書と美術鑑賞、そして掃除で、休日はせっせと片付けにいそしんでいます(笑)。
会社概要
会社名 | 株式会社中元建築設計事務所 |
住所 | 〒920-0927 石川県金沢市扇町11番29号 |
代表者 | 代表取締役 中元 伸夫 |
創業 | 1962(昭和37)年12月5日 |
設立 | 1991(平成3)年5月1日 |
資本金 | 1,000万円 |
社員数 | 7名 |
電話番号 | 076-262-3346 |
URL | http://www.nakamoto-ado.co.jp |
事業内容 | 建築設計・監理(意匠・構造) 補償コンサルタント |
募集要項
仕事内容 | 意匠・構造設計業務 ・設計図の作成(福祉施設、保育施設、店舗等) ・構造計算 ・各種申請書類の作成 ・工事監理 補償コンサルタント業務 ・自治体発注案件の補償業務(調査、工法検討、補償額算定) ・家屋調査、報告書作成 |
初任給 | 大学卒 210,000円~/高専卒・短大卒・専門卒 190,000円~ |
諸手当 | 精勤手当・資格手当・他 |
賞与 | あり(年2回 その他決算賞与あり) |
昇給 | 年1回 |
退職金制度 | あり |
勤務時間 | 8:30~17:30 |
休日・休暇 | 土日祝 |
福利厚生 | 各種社会保険完備、その他 |