和希株式会社 (石川県オートバックス)
10店舗を展開し県内シェア1位。 会員数42万人の強み活かし 新ビジネス挑戦にも意欲。
和希株式会社 (石川県オートバックス)
「オートバックス」 のフランチャイジーとして石川県内で10店舗を展開する和希は、車検・整備なども含めた県内カー用品市場でシェア1位に君臨している。今後はさらに店舗を増やす一方、42万人の会員を擁する強みを活かして、新たなビジネスにも乗り出す構えだ。自らの意思でキャリアアップに挑戦できる「チャレンジ制度」 の導入で社員の士気が高まり、職場は活力がみなぎっている。
代表取締役社長 山口 武
1969年大阪府高槻市出身。下関市立大学経済学部を卒業した1990年、現あいおいニッセイ同和損害保険に入社。福岡支社、多治見支社、名古屋支社を経て2007年金沢支社長。在任中に和希創業者で初代社長を務めた室本隆輔氏の長女と結婚。2013年専務取締役として和希に入社し、翌14年4月社長に就任。趣味は米国映画鑑賞とモデルガン収集。
休業中も見限らなかった顧客
2024年元日に発生したマグニチュード7.6、最大震度7の「令和6年能登半島地震」。能登地区を中心に石川県内は未曽有とも言うべき甚大な被害を被った。和希がフランチャイズ(FC)展開する「オートバックス」の七尾店と輪島店も床や壁にひびが入り、およそ半年間も休業を余儀なくされた。両店合わせて年間数億円の売り上げがあったので、経営的に深刻なダメージを受けることが予想された。
しかし、案じたよりは売り上げダウンは少なかった。七尾店・輪島店の顧客の多くが、代替店として羽咋店、かほく店、スーパーオートバックス金沢店、金沢入江店、スーパーオートバックス金沢野々市店などを積極的に利用してくれたからだ。奥能登からわざわざ足を運んだ人もいれば、金沢市周辺に避難していた人もいる。いずれにせよ、オートバックスがいかに顧客から信頼されているかを物語るエピソードだろう。
「2店休業中も見限らず、オートバックスをご利用くださったお客様には感謝しかありません。地域に密着しながら満足いただける商品やサービスの提供に励んできて本当に良かったと思います」(山口武社長)
「チャレンジ制度」で士気高揚
和希のルーツは、室本隆輔初代社長が1957年に二輪車・自動車部品商として輪島市で創業した大同部品商会だ。法人化して大同用品(現大同)に衣替えし、1976年に1号店のオートバックス七尾店をオープンした。2年後にFC展開に特化した和希を設立し、果敢なドミナント出店で2013年までに奥能登から南加賀まで10店舗を開設、県内カー用品業界のトップに躍り出た。このうちフラッグシップ店のスーパーオートバックス金沢店は、東京資本の企業から取得した店舗で、これにより県内のオートバックスは和希が独占的に経営することになった。
創業者の女婿である山口現社長が三顧の礼で専務に迎えられ、1年後に3代目経営者に就いたのは2014年。トップシェアながら薄利多売色が強く、収益力に乏しかった経営から脱却すべく、就任早々、大改革に着手した。
まず取り組んだのは社員教育の徹底だった。「接客業」の観点から、顧客満足度を高めるための意識改革とスキルアップに全力を注いだ。
一方で、能登ゆかりの社員が多いことによる「勤勉だがおとなしい」企業風土を刷新しようと、「チャレンジ制度」を導入した。例えば店長やフロア長・ピット長といった幹部ポストを目指すなら、自ら申し出て、設定課題をクリアすれば昇格できる仕組みだ。キャリアアップを「与えるもの」から「勝ち取るもの」へとパラダイムシフトさせたとも言えよう。並行して給与体系を成果本位に改め、役職手当も大幅に拡充、店長の権限も増やした。
その結果、社員のモチベーションが顕著に高まり、近年は社員の60%が何らかのチャレンジに手を挙げるようになった。その分、ポストも増やし、社員約170人の3分の1が役職者に登用されている。
他を圧倒する42万人の会員
オートバックス会員の拡大も重点戦略に位置づけ、説得力の高い接客術を駆使して会員数を大幅に増やすことに成功した。県内の運転免許保有者は72万人ほどだが、現在では実に約42万人の会員を擁する。CMとDM戦略も見直し、最近はAIを活用してより効果的なDMを打てるようになったこともあり、年間約50万人が来店している。
「当社の最大の強みは圧倒的な会員数です。カー用品販売だけでなく、車検・整備や車の売買などカーライフ全般をサポートする態勢も強化しており、今後も顧客1人当たりの付加価値を高められるとみています」(山口社長)
加賀地区でさらに2店舗を新規出店する計画もある。ただし、中長期的にはオートバックスビジネスだけでは頭打ちになる可能性も想定される。そのため、まだ構想段階だが、グループ企業の大同による新ビジネス進出も検討し始めている。山口社長は「どんな業種であれ、オートバックス経営で培ったノウハウと会員数の多さを武器に、引き続き地域密着型ビジネスを目指すことになるはず」と展望している。
オープンマインドな社風
山口社長に経営者としてのモットーを尋ねたところ、「公私混同です」とまさかの答えが返ってきた。その真意はこうだ。
「社員が幸せでなければ、お客様を満足させ、幸せにすることはできません。だから、まず社員を幸せにすることを私の最大の使命にしています。その大前提として、社員の仕事ぶりだけでなく、プライベートも把握して、フレンドリーな関係を築いておかねばなりません。公私の区別なく一人間として心を通わせ、信頼を分かち合うということです。全社員170人の趣味を知っている経営者は私ぐらいではないでしょうか」
具体例を挙げると、店舗視察の際、朝礼の訓辞で全員を笑わせることと、現場の全社員と個別に触れ合うことを自らに課している。笑わせるのは笑顔でお客様を迎えてもらうため、社員との触れ合いは絆を深めるためだ。もちろん業務上の提案や要望を受ける場合もあり、即決での応諾も厭わないという。
しかし、こうしたオープンマインドな社風は外部には伝わりにくい。リクルートにおいても、自動車関連サービス業と聞いただけで、3K職場の先入観を抱く人が少なくない。山口社長はそれが悔しくてならない。
「車に興味があるかどうかは採用に全く関係ありません。よきアドバイザーとしてお客様をアテンドし、満足や幸せを感じていただく仕事だからです。当社の場合、お客様アンケートで年間約1万人から感謝の言葉が寄せられます。応対した社員にとってこれほどうれしいことはないでしょう。しかも、キャリアも報酬も自らの力で勝ち取っていける。夢もやりがいもある会社だと自負しています」(山口社長)
「スーパープラス思考人間」を自任し、社員からは「凄腕だけどフランク」と慕われる気鋭の経営者に、自らの将来を託す選択は決して悪くないはずだ。
オートバックスの県内全10店舗を運営
カー用品総合専門店「オートバックス」のフランチャイズ法人として、石川県内で能登から金沢、加賀まで全10店舗を運営しています。会員数は42万人を誇り、お客様一人ひとりが求めるサービスにきめ細かく対応し、快適なカーライフをサポートしています。
会社とお客様の「和」を大切に考え、当社と関わる方々の心が和らぐ会社を目指すという意味の「和」、および、願いは通じるという意味の「希」を合わせた社名を掲げ、業務に邁進しています。
野々市(写真)と金沢の「スーパーオートバックス」のほか、県内でオートバックスの店舗を展開しています。
羽咋店(写真)など能登の店舗網もあり、県内の広いエリアでさまざまな働き方ができます。
先輩社員からのメッセージ
周囲の皆が優しく、 助けられています。
スーパーオートバックス金沢店 車検フロント担当 浜辺 栞
2019年10月入社
七尾東雲高等学校 卒
卒業とともに地元の食品工場に就職しましたが、どうしても都会に行きたくて退職し東京のカフェで働いていました。その後地元に戻ってきたときに、当社の社員の方から「うちで働かないか」と誘われ入社しました。
現在は車検のフロント担当をしており、部品の名前や役割など覚えることが多く苦労しています。定番のメニューだけではなく、サービスメニューを提案してお客様に「OK」といわれたときにはやったーと感じます。
社員のみんなは楽しそうに仕事をしており、何かわからないことがあっても、優しく教えてくれるので助かっています。月に8日~9日の休みがあるのですが、趣味のライブに行って楽しんでいます!
整備士資格を目指し奮闘中です。
スーパーオートバックス金沢店 整備担当 土井 拓海
2023年4月入社
内灘高等学校 卒
高校3年の時に3社会社見学に行き、その中で当社が一番和気あいあいとして仕事をしていて楽しそうな感じだったので入社を決めました。入社前に富山で3日間の研修があり、その後正式に現在の店舗の整備に配属となりました。
現在自分ができることは、オイル交換やタイヤ交換、バッテリー点検などで、いろいろな車種の車に触れられるので自分の車と比較しています。学生時代からコンビニでアルバイトしていたので接客は好きで、一日30人以上の方とお話しするのは楽しいですし、最後に「ありがとう」と言ってもらえるのはとてもやりがいがありますね。
わからないことがあったら、すぐに先輩に聞いたり交代してもらったりしており、近い将来、整備士3級の資格を取って、やれることをどんどん増やしたいと考えています。
会社概要
会社名 | 和希株式会社(石川県オートバックス) |
住所 | 〒920-8204 石川県金沢市戸水2丁目38番地 |
代表者 | 代表取締役 山口 武 |
設立 | 昭和53年10月 |
資本金 | 2,500万円 |
社員数 | 170名 |
電話番号 | 076-268-8787 |
URL | https://ab-waki.com |
事業内容 | ・オートバックスのフランチャイジーとして店舗展開、カー用品販売および取付 ・車検・整備、板金など各種サービス ・新車・中古車の販売および買取 |
店舗 | 石川県内10店舗 |
募集要項
募集職種 | ①接客販売・レジ業務 :車に関わる様々な商品の販売・接客業務 。売り場づくり。 ②受付業務:各種サービスの受付業務。 ③ピット作業:車検整備や、カーナビなどの取付作業、オイル交換、タイヤ交換など。先輩の指導のもとで整備補助からスタート。 |
初任給 | 大学卒 180,000円/短大卒 168,000円/高校卒 163,400円 |
諸手当 | 通勤手当、時間外手当、資格手当、役職手当 |
賞与 | 年2回(昨年実績3.2~4カ月) |
昇給 | 年1回 |
勤務時間 | シフト制 1日の実働時間8時間 ① 9:10~19:10(休憩120分) ② 9:40~19:40(休憩120分) |
休日・休暇 | シフトによる週休2日制 ※時期によっては土日可能(要相談) 年間休日105日 産前・産後休暇、育児休暇、介護休暇 |
福利厚生 | 各種社会保険、退職金共済、制服貸与、社員割引制度、財形預金制度、持株制度、 資格取得制度、保養所、社員旅行など |