全国トップ3に入る実績
21世紀以降に誕生した石川県内の代表的なランドマークと言えば、石川県庁、金沢21世紀美術館、金沢港クルーズターミナル、石川県立図書館(愛称:百万石ビブリオバウム)などを思い浮かべる人が多いだろう。これらすべての防水工事を手掛けたのが北川瀝青工業だ。
この実績が象徴するとおり、北川瀝青工業は石川県における建物防水工事のトップランナーである。そればかりか、北陸においてもダントツのニッチトップ企業であり、さらには全国屈指、恐らくトップ3に入る施工実績を誇っている。
創業は1927年。まもなく100周年を迎える。1962年に防水工事部門が分離独立し、現社名になった。「瀝青」はアスファルトやコールタールのことで、これらを用いる防水工事事業に特化したことが社名の由来だ。
一口に防水工事と言っても、アスファルト防水、シート防水、塗布・塗膜防水ほか何種類も施工法がある。メインは公共施設、ビル・マンションなど建築物の屋上防水だが、プール防水や駐車場防水も手掛ける。使用する材料も多様で、物件の特性に合わせて最適な工法・材料を選択する。もちろんメンテナンス・修繕分野のシェアも圧倒的だ。
守ることは、未来をつくること。
■ 社会を支える、見えない価値
私たちが日々何気なく利用しているオフィスや学校、病院、商業施設。そうした建物が、年月を超えて安全に使われ続けている背景には、目立たないけれど欠かせない仕事があります。
北川瀝青工業が手掛ける防水・改修工事は、まさにその代表です。
建物は完成した瞬間から劣化が始まるとも言われます。雨や雪、紫外線、温度変化など、外部環境の影響を受けながら、少しずつ傷みが進んでいく。そのリスクを未然に防ぎ、建物の寿命を延ばし、資産価値を守ることは、単なる補修ではなく、社会基盤を維持する重要な役割でもあります。
新しいものをつくることが注目されやすい時代に、今ある価値を守り抜くことに力を注いできた同社の歩みには、時代を超える本質があるように感じます。

新社屋の前で 代表取締役社長 北川 文洋 氏
■ 技術を継ぐことは、未来を継ぐこと
防水工事という仕事には、数字やマニュアルだけでは語れない世界があります。
材料特性を理解し、現場ごとに異なる条件を読み、品質を守り抜く。その積み重ねは経験と知恵に支えられています。
北川瀝青工業が大切にしているのは、単に施工品質を高めることだけではなく、その技術を次世代につないでいくことです。技術は設備だけでは残らない。人が受け継いでこそ残る。
だからこそ、若手が現場で経験を積み、先輩から学びながら成長していくプロセスそのものが、会社の未来をつくる営みになっている。老朽化対策や防災ニーズが高まるこれからの時代に、「守る技術」の価値はますます高まっていくはずです。

■ 人を育てる企業には、文化がある
長く続く会社には、数字では表せない文化があります。
北川瀝青工業から感じられるのは、人を育てようとする空気です。
若手に責任ある仕事を任せ、資格取得を支援し、経験を通じて成長を促していく。その姿勢は単なる教育制度ではなく、人づくりの思想にも見えます。
社員インタビューを読んでいても、仕事を覚えるだけでなく、人として成長していく実感が伝わってくる。技術を教えることと、人を育てることが一体になっている。
それは簡単なようでいて、実はとても難しいことです。だからこそ、この会社の強みになっているのだと思います。



■ 地域とともに歩む企業
地域に根ざす企業には、地域とともに育ってきた歴史があります。北川瀝青工業もまた、北陸という地域とともに歩みを重ねてきました。
学校や病院、公共施設、民間建築まで、多くの現場を支えながら、地域インフラの一端を担ってきた。その積み重ねは、単なる施工実績ではなく、地域からの信頼そのものでもあるのでしょう。
企業が地域に存在する意味とは何か。雇用を生み、価値を生み、地域の安心を支えること。
その問いに、同社は実践で応えてきたように見えます。
■ 誇りを持てる仕事がある
仕事の魅力とは、条件だけでは語れないものがあります。
「この仕事には意味がある」と思えること。
それは働くうえで大きな力になる。
北川瀝青工業で働く人たちから伝わるのは、そうした仕事への誇りです。
目立つ仕事ではなくても、人の役に立っている実感がある。
社会に必要とされている仕事だという手応えがある。その誇りが、人を育て、組織を強くしていく。
仕事とは、単なる役割ではなく、生き方にもつながるものなのだと感じさせられます。

■ 未来をつくる会社とは
未来をつくる会社とは、革新的なテクノロジー企業だけではない。
社会を支え、技術を継承し、人を育て、地域に価値を残していく企業もまた、未来をつくっている。
北川瀝青工業は、そのことを静かに教えてくれる一社です。
守ることは、未来をつくること。
その思想そのものが、この会社の価値なのかもしれません。
北川瀝青工業は、創業1927年。まもなく100年を迎える老舗企業でありながら、今もなお建築物を支えるニッチトップ企業です。華やかに新しいものをつくる会社ではなく今ある価値を守り、次の世代へ残していく会社。そこに、この会社ならではの未来づくりがあります。
COMPANY DATA
- 本社:石川県金沢市新保本4-64-15
- 創業 : 1927年
- 設立:1962年
- 資本金 :5,000万
- 売上高 : 47.4億円(令和7年決算)
- 事業内容:建物の雨漏りや劣化を防ぐ防水工事が主な事業です